木造の建物の解体方法
木造の解体工事は、手作業の部分が多いのが特徴です。
主な解体工法
手こわし解体工事
手こわし解体工事とは、重機を使用せず、専用工具を使用し、職人の手で解体していく工法です。
簡単に廃棄物を分別できることや、振動・騒音などを最小限に抑えられるというメリットがあります。
また、狭小地などの大きな重機が入り込めないような場所でも、この工法が使用されます。
手こわし併用機械分別解体工事
現在、主流となっている解体方法で、建物内部を手こわししてから、重機を使用して作業を進める工法です。
再資源化しやすい木くずや、瓦礫を重点的に分別しながら作業を進めることが可能です。
手作業と機械を併用することで効率が良くなり、工期の短縮が実現できます。
木造の解体の流れ
①現地調査
現地調査では、建物本体だけでなく、付近の道路状況、使用できる重機や車両、付帯工事の有無など、見積書の作成に必要な項目を詳しくチェックしていきます。
調査の際は、依頼人も立ち会って、工事の範囲や近隣への影響などについて確認しながら、工事の規模や工法などを決めていきます。
②近隣への挨拶回り
現地調査後、関係各所に対して届け出や契約の締結を終了させると同時に、近隣への挨拶回りを行います。
解体工事では、騒音や粉塵、工事車両の出入りなど、近隣への影響が大きいため、事前の挨拶や説明は必要不可欠です。
③足場設置と養生
高所での作業を伴う工事では、足場を設置して安全を確保します。
また、粉塵などの飛散防止のために、養生シートを設置します。
養生シートによって、近隣への影響を最小限に抑えることができます。
④家屋内の残置物の撤去
家屋内に残っている家具や家電、生活用品などを全て取り除く作業です。
残置物を適切に撤去することで、安全で効率的な解体作業が可能となります。
また、撤去された物品は、リサイクルや適切な廃棄方法で処理されるため、環境への配慮も欠かせません。
⑤内装材・付帯物の撤去
建物内部の壁紙、床材、天井材などの内装材や、照明器具、エアコン、キッチン設備などの付帯物を取り外す作業です。
この工程は、建物の構造体を効率よく解体するための準備として不可欠です。
⑥屋根の撤去
木造住宅の場合は、解体工事の初期段階として屋根の撤去も重要な工程です。
まず、作業員は安全装備を着用し、周囲の安全を徹底します。
次に、屋根材を一枚ずつ丁寧に取り外します。
この際、瓦やトタンなどの素材に応じた適切な工具を使用し、損傷を最小限に抑えます。
⑦重機の搬入、建物本体の解体
重機の搬入は、効率的かつ安全に建物を解体するために欠かせない工程です。
重機を使って、外壁や屋根、内装などを一つずつ丁寧に解体していきます。
騒音や粉塵を抑えるために、適切な対応を講じることが求められます。
⑧基礎の撤去
建物全体が解体された後、基礎部分を取り除く作業に入ります。
基礎はコンクリートや石で作られているため、専用の重機を使用して掘削し、丁寧に取り除きます。
この工程では、地中に埋まっている配管や電気ケーブルに注意を払いながら作業を進める必要があります。
⑨廃材の処分
解体により発生する木材、金属、コンクリートなどの廃材は、適切に分別し、リサイクル可能なものは再利用されます。
リサイクルが難しい廃材は、環境への影響を最小限に抑えるために適切な方法で処理場に運ばれます。
⑩整地・清掃
解体工事の最後の段階として、整地・清掃が行われます。
まず、重機を使って残ったコンクリートや木材の破片をすべて取り除きます。
その後、地面を均一に整えるために整地作業を行い、必要に応じて土を追加します。
最終的に、細かなごみやほこりを掃除し、敷地全体を綺麗にします。