主な解体工法
鉄骨造の解体では、「鉄骨切断カッター工法」「ガス切断工法」などが使用されます。
鉄骨切断カッター工法
鉄骨切断カッター工法とは、油圧ショベルの先端に、鉄骨切断カッターを取り付けて解体する方法です。
解体能力が高く、高所での作業が少ないため、安全に作業できるといったメリットがあります。
ガス切断工法
ガス切断工法とは、金属を高い温度で酸化させ、その酸化部分をガスで吹き飛ばし、鉄骨を切断していく解体方法です。
ガス溶接機を使用し、クレーンなどで吊り降ろして解体していきます。
振動や騒音が少ないため、建物が密集している場所や狭小地の解体工事に最適です。
S造の解体の流れ
①現地調査
現地調査では、建物本体だけでなく、付近の道路状況、使用できる重機や車両、付帯工事の有無など、見積書の作成に必要な項目を詳しくチェックしていきます。
調査の際は、依頼人も立ち会って、工事の範囲や近隣への影響などについて確認しながら、工事の規模や工法などを決めていきます。
②近隣への挨拶回り
現地調査後、関係各所に対して届け出や契約の締結を終了させると同時に、近隣への挨拶回りを行います。
解体工事では、騒音や粉塵、工事車両の出入りなど、近隣への影響が大きいため、事前の挨拶や説明は必要不可欠です。
③足場設置と養生
高所での作業を伴う工事では、足場を設置して安全を確保します。
また、粉塵などの飛散防止のために、養生シートを設置します。
養生シートによって、近隣への影響を最小限に抑えることができます。
④内部解体
建物本体を解体する前に、建物内部を解体処分しておきます。内部解体では、建物内部に使用される建材や断熱材などを基本的に手作業で撤去します。
また、アスベストが使用されている場合は、この段階で撤去工事を行います。
⑤上屋解体
建物の基礎以外の部分を「上屋」と呼びます。内部解体が終わったら、上屋を解体していきます。
重機を中心として、埃が飛散しないように散水しながら、壁や柱、梁の解体・撤去作業を進めます。
基本的に、最上階から解体を始め、上から下へと進めていき、最後は基礎部分だけが残ります。
⑥基礎及び地中障害物の解体
上屋の解体で現れた基礎を解体します。
地中深くまで杭が打ち込まれているため、山留工事などを施しながら、基礎部分と杭を解体撤去します。
また、埋設物などの地中障害物があれば、更地化したあとで問題が生じないように、解体撤去を行います。
⑦埋戻しと整地
地中深く打ち込まれた杭や地中障害物などを撤去するために、地面を深く掘り下げることになります。
後で利用可能な更地にするためには、この掘り下げた部分を埋め戻し、最後に整地しなければなりません。